ASD(自閉スペクトラム症)について

 ASDはAutism Spectrum Disorderの略で、自閉スペクトラム症あるいは自閉症スペクトラム障害と和訳します。近年では「障害」という単語をなるべく使わず、自閉スペクトラム症と呼ぶ流れになってきているようです。頻度は100~300人に1人ほどで、原因は先天的な脳の機能障害によるものと考えられており、出生後の親のしつけ方や愛情のかけ方によるものではありません。

 以前は自閉症やアスペルガー障害(症候群)などと呼ばれていましたが、近年では連続体という意味合いをもつスペクトラムという単語を用いて、広く捉えるようになりました(このため頻度に関しては様々です)。その中で、知的障害を伴うかどうかで、「知的障害を伴う自閉スペクトラム症」あるいは「知的障害を伴わない自閉スペクトラム症」と呼びます。ただこれだと長くなってしまうので、HP上では自閉症と書いているところがあります。

 スペクトラムという単語はあまり聞き慣れないと思いますが、要するに幅があるということです。自閉症とひとくくりに言っても、その特性の強い人から弱い人までさまざまであり、どこから障害と呼ぶのか線引きが難しいこともあります。

 

 ASDは、①社会性の障害、②コミュニケーションの障害、③想像力の障害、という3つの障害があります。具体的に言うと、①対人関係の形成が困難、②特にことばの発達(発語や理解)の遅れ、③柔軟性に乏しくこだわりが強い、といったところでしょうか。他には感覚の異常もよくあるようです。

 はるくんは2歳の時点で、①視線が合いにくく、他人や物との距離感がつかめず顔を近づけすぎたりする、②意味のある言葉を喋ることができず、親がかける言葉の意味をほとんど理解できない、③電車や砂などへのこだわりが強く、自分の思うようにいかないとかんしゃくを起こす、などの特性があります。感覚の異常としては聴覚過敏があり、大きな音は非常に嫌がります。また、偏食もあります。

 上にも書いたように、これらの特性はみんなそれぞれ違うので、ASDとひとくくりに言っても、みんな違います。もちろん年齢でも変化するので、はるくんも以前より視線が合いやすくなっていたり、こだわるところが変わっていたりします。これが周囲に理解されにくい要因のひとつだと思います。