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試験

はるくんがちょうど1歳半のときに、僕は試験を受けた。

試験直前はほとんど勉強が手につかず、正直あまり自信はなかった。

この不安な思いを誰にどう伝えたら解消されるのか、そしてそもそも解消されることはあるのか、僕には分からなかった。人に話しても、考えすぎじゃないのかとか、まだ小さいからそんなものじゃないのとか、男の子だしとか、励まされて少し期待しても、後でまた現実を突きつけられる。

 

こんなこと相談されても、みんな困るだけかな・・・

それでも人に話そうとしたのは、誰かに「はるくんは自閉症じゃない」って言ってほしかったのかもしれない。

 

僕が逆の立場だったら、どのように答えたんだろう?

 

 

試験当日、広い会場に大勢の人が集まっていた。

 

試験には自閉症に関する問題も出題されていた。

5つの選択肢から正解を1つ選ぶ形式で、「自閉症児に認めない特徴を選べ」といった内容の出題だった。

 

 

手が止まった。

 

 

5つのうち4つははるくんの特徴に合致しており、はるくんに認めない特徴が正解と思われる選択肢だった。